振り返ってみると、三月は海外のものばかりを読んでいたようだ。キング以外は初めての作家ばかり!そしてキングの「冗長で半分うんざりしてしまいつつ、途中の描写をとばしつつも最後まで読ませてしまう物語の展開」は楽しい。たまに読むと自分の中の澱がはっきりわかるのが、またいい。それをデトックスしないで溜め込んでいてもまあいいと思わせるところとかが。
2010年3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2177ページ
■それぞれの少女時代 (群像社ライブラリー)
少女が内包している残酷さ、柔らかに現れ始める肉体の開花、恋への憬れ、人種や職種による貧富についてが、軽やかに描かれている。グレイッシュな水彩画のような物語だった。少女は決してパステルカラーの砂糖菓子ではない!
読了日:03月29日 著者:リュドミラ ウリツカヤ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/5547563
■精霊たちの家 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-7)
読了日:03月26日 著者:イサベル・アジェンデ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4309709591
■ある秘密 (新潮クレスト・ブックス)
期せずしてこれもある家族の物語だった。第二次世界大戦によって生まれた「ある秘密」は主人公の父母にとって、隣人のルイーズにとってタブーであり常に重くのしかかっている。それらが白日の下に晒され、再度物語として編まれてやっと天に帰るまでの“物語”だ。文体が散文調で婉曲な表現なので、詩的な美しさもあると思う。
読了日:03月16日 著者:フィリップ グランベール
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/5366283
■時のかさなり (新潮クレスト・ブックス)
子供の目の高さだと視界が狭いと思うのは大人ばかりで、彼らは案外色々なものを見ているのである。「見てはいけない」と言われたものも。現代から遡っていくある一族の、四代に渡る歴史物語ではあるが、その語り手は全て六歳の子供。現代へ時代が下がるにつれて出来た謎を、逆から世代を超えて追いかけていく形で物語が進む。まるでミステリー!けれど家族の繋がりほど身近で密やかなミステリーはなかなかないはず。とても気に入っている。
読了日:03月13日 著者:ナンシー ヒューストン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/5335193
■ドロレス・クレイボーン
読了日:03月10日 著者:スティーヴン キング
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163158103
■ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)
読了日:03月05日 著者:マイケル オンダーチェ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4105900730
■千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)
べったりと凪いだ海、大きくて少々の風にも動じない湖のような短編集だった。本の中の穏やかな水面は、けれども残酷なほど日の光をぎらぎらと照り返す強さはある。一人でしか立つことが出来ない、何をも成し遂げるわけではない、大勢の人々の中からスポットが当たっただけの登場人物たちには、近しさを感じている。「市場の約束」と「ネブラスカの姫君」表題作「千年の祈り」が特に好きだ。
読了日:03月01日 著者:イーユン リー
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/5161102
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2010年4月7日水曜日
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その花をつままくときは とことはにすぎさりにけり
子供の頃、多分まだ年齢が一桁だったころ、れんげ畑でイベントがある(そう大それたものではないと思うが、田舎には娯楽がない。子供の頃は、嘘みたいに続くらしい人生に退屈していたし、それはわたしの顔に常に出ていた)とどこからか聞いてきた母が、家族で出かけようと計画をした。心踊る計画ではな...
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