2010年1月2日土曜日

善き日に



 

  あけましておめでとうございます。
  旧年中は、このウェブ日記を読んでくださってありがとうございました。拙い日記ではありますが、またどうぞよろしくお願いいたします。

  12月30日から降り続いた雪は、年をまたいで今日、一度溶けた。その内に何度か、海に降る雪をぼうっと眺めていた。雪は海にも降るのだった。音を拾いながら音を閉じこめながら、ゆっくりとけれど確かに。海に降る雪は夢の中で降る雪のようだ。まるきり現実的な感じがない。白く軽く美しく、雪は海へと身投げしていった。私はそれを子どもと見ていた。子どもにとってはじめて触れる雪だった。次に降るときはもう、今回の雪よりも水気をたっぷり含んだ、日本海側、特に山陰特有の牡丹雪になるだろう。二度と同じ雪は降らない。二度と同じ年が巡らないように。どれだけ過去に憬れてもどれだけ未来に怯えても、同じ方向へしか進まない。私たちの時間は常に一方向へ進む。その中で私が出来る人間らしい善きことは、ただ、正しく生きることくらいだ。「そこ」に到達するために。

0 件のコメント:

コメントを投稿

滅びの王国

『すえっこOちゃん』という本を借りた。Oちゃんのほんとうの名前はオフェリアだけど、いつもOちゃんと呼ばれている。スウェーデンのある町に住んでいる七人きょうだいの末っ子で今は五歳。年上のきょうだいがいるのでおませさんだそう。奔放ではちゃめちゃだけれど、OちゃんにはOちゃんの理屈がし...