2009年12月6日日曜日

11月の読書メーターまとめ

2009年11月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3368ページ

■聖少女 改版 (新潮文庫 く 4-9)
読了日:11月28日 著者:倉橋 由美子
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101113092

■ありふれた風景画 (文春文庫)
あさのさんの少女ストーリー。ややエスかも。「ガールズ・ブルー」よりももっと倦んでいる高校生の少女を軸に描かれている。大勢の中で、多数派に属せないということは思春期にはとても辛いことなのだけれど、それでもみんなと同じにはなれない瑠璃と周子(周子は烏と心が通っているし)。大人の話が理解できる年齢なのに、大人と同じには扱われない。理不尽なくすぶりの中で少女たちは大人になっていくのだが、大人になるって、つまり「他者と、その違いを許せること」だろうな。それは諦めとは違うと思いたい。母に父に姉に自分の嗜好に対してくすぶっていた瑠璃は多分、本物の大人になったときにも、思春期のくすぶりを思い出せる人だろう。それは時には自分を刺してくるだろうけれど。
読了日:11月27日 著者:あさの あつこ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/3938879

■マイナークラブハウスは混線状態 (ポプラ文庫ピュアフル き 1-4)
何とか「それ」を通り過ぎることが出来た先達が、見守ってくれるということは後から続く者にとって幸いだ。ぴりかのような、天野のような、自分を塗り固めている子は、それが過去になった者か、昔それを側で見ていた者には痛々しい。無傷で居られないんだよ、そういう魂の持ち主は、人よりも何倍も魂の周りにある膜が薄いから、だから時々やりきれなくなってしまう。キャラクター小説にならずに続いているのは、やっぱり、誰かの痛みをそれぞれを媒体として共鳴させてしまうからだろうか?特に、ぴりかのような、誰にも本当の姿を見せない子の危うさには目を覆いたくなる、怖くて。でも楽しみでもある……。思春期って、本当に、ぼーっとしてると熱病のように過ぎてしまう。「それ」と取り組める彼らを羨ましく思う。
読了日:11月26日 著者:木地 雅映子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/3934400

■サグラダ・ファミリア 聖家族 (新潮文庫)
読了日:11月26日 著者:中山 可穂
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101205310

■月夜見
何事も起こらず淡々とした日常というものに、いかに狂気が潜んでいるかというと、それはもう張り巡らされているようなものだ。主人公の書けない小説家は入院中の継母と、継母が経営しているアパートの面々をテーマに小説を書こうとしている。淀んだ池でぬらぬら泳ぐ鯉にとっては日常だとしても、たまに池を覗く方からすると面白くもありグロテスクでもあり不快でもある。オカルティックな部分はすこし、苦手。
読了日:11月23日 著者:増田 みず子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/3896775

■オリガ・モリソヴナの反語法
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」を読んだので。読み始めた頃、「あれ?エッセイの焼き直しだろうか?」と思ったけどとんでもない失礼!下地になっているのは確かにご本人のチェコ・ソビエト学校時代の経験だけれど、架空の人物たちのなんという人間くささ、温かさ。そしてその底に流れ続けている歴史の残酷さ。少々場面転換などが切り口上っぽいごつごつした所もあるにしても、中だるむこともなかった。まだすこし興奮しています。
読了日:11月19日 著者:米原 万里
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/3844854

■嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (文芸シリーズ)
プラハのソビエト学校の生徒だった著者が出会った、印象深い三人の友達のことを書いた、ノンフィクション。よくある「子どもの頃の懐かしい記憶」の随筆ではなく、当時の情勢やそれぞれ友人達が背負っていた「国」のこと、思想の違いのこと、それらを堅苦しすぎずに読ませる筆の運び!その文体は達観しているようでいて、けれど当時の友達を探す情熱的な一面も覗き、とてもチャーミング。
読了日:11月12日 著者:米原 万里
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/3755518

■贖罪
読了日:11月06日 著者:イアン マキューアン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4105431013

■ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)
読了日:11月03日 著者:トマス ハリス
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102167048

■ハンニバル〈上〉 (新潮文庫)
読了日:11月03日 著者:トマス ハリス
http://book.akahoshitakuya.com/b/410216703X


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