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2010年12月1日水曜日
十一月の読書まとめ
読んだ数についてはどうも思わないが、二冊、十一月にまつわる物語を再読出来たので良い月だった。一冊は『十一月の扉』、もう一冊は『ムーミン谷の十一月』。長々と読みかけては放置を繰り返したデュラスの『破壊しに、と彼女は言う』もやっと読めた。所々クククと笑いながら、しんみりとしながら読んだのは『わたしは英国王に給仕した』。私好みの、ちょっとしたロマンスありマジックリアリズムあり、そして三組の(一組は婆様、一組は中年、もう一組は少女)二人姉妹という憧れる血縁が出てきて、読み終わる時に軽やかな淋しさ——それは例えば旅行先で出会った気持ちの良い旅人のような、多分もう二度と会えないとわかっている相手へ「またいつか」と言って別れるような——を残していったのが『オーウェンズ家の魔女姉妹』。ふせんだらけで本の天からにょきにょきとキノコが生えているようになってしまったのが『昼の家、夜の家』。ティーン特有のひりひりした焦燥、疾走感で一気に読み終えてしまったのが『マチルダの小さな宇宙』。阿呆のように次へ次へとページを捲ってしまったのがフエンテス『アウラ・純な魂』、指先から首筋へさむけがつうっと這い上がった。爽やかな悪夢、という読み心地だったのは『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』。この作家の未翻訳がどんどん日本語に翻訳されますように!
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