手負いのけものはひたすら身体を丸め、傷の回復につとめる。安易に近寄ると牙をむく。気合とかそういうもので治るものではないので、動けるまでただひたすらに安全な場所で身体を休め、眠り続ける。それと同じ。ただどうしようもなく生きることをやめてしまいたいと思うときは誰にだってある。それがたまに強く出る。これはよくない兆候なのだとなんとなく自分でわかる。臭いがする。やまいのにおいだ。でもまだ本当の限界じゃない、引き返せる。そういう時は眠るに限る。
馴染みのベッドに潜り込んで身体を丸めて、わたしの中にある野生を信じて眠る。必ず目が覚めて立ち上がる事ができると、わたしはもう知っている。
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