2021年3月12日金曜日

とてちて短歌

2011年07月31日(日)
熱残るアスファルトに線路を引きわたしとお前は世界のみなしご

2010年08月15日(日) 
平和祈り並ぶかしらを風過ぎる 天の御母に歌を捧げ 

2010年05月11日(火)
明け烏コットに並ぶみどりごの泣き声止まぬマリアらの国 

2009年12月18日(金)哀しきは蝶にもなれず舞い狂う一葉に似た軽き吾が生 

2009年12月14日(月)
双子座を探すベランダで元少女の鼻先に夜降り宿る 

2009年12月11日(金) 
ビスケット一人で囓るまよなか過ぎ客待つ娼婦気取りで 

2009年11月04日(水) 
おさなごの眠るくちもとばら色に山そびえたる聖なるかな 


ほぼ十年前のツイッターのログを時々読んでいる。なぜ残してあったのかというと(ほとんどログのことなど忘れていたのだけれど、ファイルを漁っていたらいくつも見つかった)、アカウントの痕跡まで消すのが寂しかったからだ。十年のうちにアカウントを三つほど乗り換えたが、最初のアカウントは思い入れも深く、また交流もわたしにしては盛んだった。今はもう完全に知らない人同士になってしまったアカウントの持ち主と、夜な夜な文字の会話をして、眠れぬ夜を過ごしていた当時が懐かしくなった。

上記の短歌もどきは、初代のツイッターアカウントで作っていたもののようだ。もう少し数を作ってブログか何かに転載しようと考えていたのだと思う。結局今になるまで転載はせずにいたので、わたしは自分が短歌もどきを作っていたことすら忘れていたけれど……。以下はここ二、三日でパズルのように文字を当てはめただけの短歌もどき。三十一文字からはみ出ているものもあるが、完全な素人の手遊びと思って読んでいただければと思う。へたくそでとても恥ずかしいが、わたしは放置したまま忘れたり、推考もせず消していくので、日々の記録として残しておくことにした。



ハンドルを強く握りて夜駆ける星間漂う宇宙船に似て

巡る日を過ごしし古都の思い出はわれ連れ回すメリーゴーランド

ただひとつうたへる聖歌を口ずさむ祈りをしらぬとこうべ垂れつつ

くりかえし再び語る思い出は祈り数える数珠玉に似て

ミモザ咲く時しもさや風過ぎゆきぬ祈るあてなきかしら掠めて


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子供の頃、多分まだ年齢が一桁だったころ、れんげ畑でイベントがある(そう大それたものではないと思うが、田舎には娯楽がない。子供の頃は、嘘みたいに続くらしい人生に退屈していたし、それはわたしの顔に常に出ていた)とどこからか聞いてきた母が、家族で出かけようと計画をした。心踊る計画ではな...