2009年11月21日土曜日

水の女神たち、雨に咲く

  主に使っている部屋は西と南に窓があり、南側は掃き出しになっていて、晴れた日には光が良くはいる。西側は普通の、なんの変哲もない窓が付いていて、海が近いものだから風が良く通る。


 西側の窓の側に置いてあるプランターに、今日、ネリネが咲いていた。
数日前から咲いていたのだけれど、改めて「今日」と強調して言うのは、今日私がその花を「ネリネ」だときちんと認識した日だからだ。私がネリネを「ネリネ」と認識して初めて、私が見たネリネは「ネリネ」として咲いた。

 ところでネリネの咲いているところを見ていると、小さい子どもらが「あーん」と口を開けて甘いものを強請っているようにも見えて、そういうところが、可愛い。花は人に似ているので、側にあると落ち着かなくなるためあまり好きではないけれど、見ていると面白い。たまにだらしないのや威張っているのがいたりして、花の多い庭は幼稚園や、井戸端会議を思わせる。

0 件のコメント:

コメントを投稿

滅びの王国

『すえっこOちゃん』という本を借りた。Oちゃんのほんとうの名前はオフェリアだけど、いつもOちゃんと呼ばれている。スウェーデンのある町に住んでいる七人きょうだいの末っ子で今は五歳。年上のきょうだいがいるのでおませさんだそう。奔放ではちゃめちゃだけれど、OちゃんにはOちゃんの理屈がし...